世界中が熱波に襲われる2023815日)

 

今夏の日本の暑さ

今年7月は東京都心をはじめ、全国25の地点で平均気温が統計開始以来、最も高くなりました。気象庁によると、先月は北海道と東北地方を中心に暖かい空気に覆われやすかったことや東日本などを中心に太平洋高気圧に覆われて晴れた日が多かったため、気温がかなり高くなりました7月の東京都心の平均気温は28.7度で、平年に比べて3.0度高くなりました。7月としては統計を取り始めた1875年以来、最も高い気温です。そのほか、仙台、横浜、千葉など24地点でも7月の平均気温が最も高くなりました。地域別で見ても、北海道と東北地方を合わせた北日本で7月の平均気温が統計開始以来、最も高くなりました2,3

今年の暑さはいつまで続くのか、気象庁の最新の1か月予報によると、9月中旬~10月上旬でも、全国的に気温が平年より高く、なかなか秋らしくならない。特に、北海道~九州では、914日頃から「かなりの高温」が予想され、「高温に関する早期天候情報」も発表されています。引き続き万全の熱中症対策が欠かせません45他の情報源も参考にすると、東京でいうと、平年並みのデータでは暑い時期は627日から918日までの2.7か月続くとされています。涼しくなったと感じるのは早くて9月末、遅くて10月中旬と予測されます。今年は残暑も厳しい可能性があります。暑さに負けないように、水分補給や冷房の利用などを心がけることが重要です

今年の暑さの原因については、いくつかの要因が考えられますが、主なものは太平洋高気圧地球温暖化です。太平洋高気圧は、夏になると日本付近に張り出し、高温多湿の空気をもたらします。湿度が高くなると、体感温度も上がり、蒸し暑さを感じます。昨年も太平洋高気圧の勢力が例年より早く強まり、記録的に早い梅雨明けと猛暑となりました地球温暖化は、温室効果ガスの排出によって地球全体の気温を上昇させます。都市化もヒートアイランド現象を引き起こし、日本の気温を底上げしています。気候学者は、地球温暖化によって今後数十年で2023年7月のような極端な熱波が一般的になると予想しています日本の夏は湿度が高いということも原因の一つです。湿度が高いと汗が蒸発しにくく、体温調節が難しくなります。また、湿度が高いと空気中の水分が多くなり、日射熱や赤外線を吸収して気温を上昇させます789

以上のように、日本の暑さには複数の要因が関係しています。暑さ対策には水分補給や冷房の利用だけでなく、温室効果ガスの排出削減や都市緑化なども必要です。

 

世界の気温

世界気象機関(WMO)などによると、20237月の世界の平均気温は観測史上で最高となる見通しだそうです。これまで月別の平均気温で最高を記録したのは20197月の16.63℃でしたが、20237月は23日までの暫定値で16.95℃になり、これまでの記録が破られることが確実になっています。

地球温暖化やエルニーニョ現象などの影響で、海面水温が異常に高い状態が長い期間続いています。また、偏西風の蛇行により、中国・南ヨーロッパ・北アメリカなどでは最高気温が40℃を超える熱波が発生しました。国連のグテーレス事務総長は「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰の時代(the era of global boiling)が来た」と述べ、各国政府などに気候変動対策の加速を求めました。20237月の世界の気温は非常に高く、人々や自然に多大な影響を与えています。秋にかけても高温傾向が続く見込みです10,11

一般的に、熱波はその地域の平均的な気温に比べて著しく高温な気塊が波のように連続して押し寄せてくる現象のことで、日中の最高気温が平均最高気温を5以上上回る日が5日間以上連続した場合を言います熱波の原因は複雑ですが、主なものは偏西風の大きな蛇行地球温暖化です。偏西風は、地球の自転によって生じる西から東に向かう風で、北半球では亜熱帯ジェット気流と極域ジェット気流の2つがあります。これらの風は南北に蛇行しながら流れますが、その蛇行が大きくなると、高気圧や低気圧が停滞しやすくなります。その結果、高気圧に覆われた地域では晴天が続き、日射量や気温が上昇し、熱波を引き起こします。逆に低気圧に覆われた地域では雲や雨が多くなり、冷涼な気候になります12,13

偏西風の蛇行は、地表や大気の温度やロスビー波と呼ばれる大規模波動のエネルギーなどによって変化します。特に近年注目されているのは北極圏の温暖化です。北極圏は他の地域より顕著に温暖化が進行し、北極圏と赤道付近の温度差が小さくなっています。すると気圧の差も減り、北極圏と赤道側の間を通る偏西風は流れが弱く、遅くなり、蛇行を大きくするという説があります。

地球温暖化は、温室効果ガスの排出によって地球全体の気温を上昇させます。これにより大気中の水蒸気量も増え、熱波や豪雨などの極端な気象現象を引き起こしやすくします。また都市化もヒートアイランド現象を引き起こし、都市部での熱波被害を悪化させます 。

以上のように、世界中が熱波に襲われている要因には偏西風の大きな蛇行と地球温暖化が関係しています。これらは相互に影響しあっている可能性もあります。熱波は人間や動植物に多大な影響を与えるため、予防や対策が必要です。

 

エルニーニョ現象と熱波

エルニーニョ現象とは、太平洋の赤道付近で海水温が上昇する現象で、数年に一度発生します1。エルニーニョ現象が発生すると、海水温の変化が大気の温度や気圧に影響を及ぼし、赤道付近の大気の循環を変化させます。これが世界中に波及して異常気象を引き起こします。

熱波とは、平年よりも高い気温が長期間続く現象で、人々の健康や農業などに悪影響を与えます3。エルニーニョ現象と熱波との関係は、地域によって異なりますが、一般的には以下のような傾向があります141516

太平洋東部では、海水温の上昇によって雨雲が発生しやすくなり、降水量が増加します。しかし、雨雲は日射量を遮るため、気温は低下する傾向があります。したがって、熱波は発生しにくくなります。

太平洋西部では、海水温の低下によって雨雲の発生が抑制され、降水量が減少します。また、貿易風が弱まるため、日射量が増加します。したがって、気温は上昇しやすくなり、熱波が発生しやすくなります。

大陸内部では、エルニーニョ現象による大気の循環の変化によって、乾燥した空気や暖かい空気が流れ込む場合があります。これも気温を上昇させる要因となり、熱波が発生しやすくなります。

以上のように、エルニーニョ現象は熱波の発生に影響を与える可能性があります。しかし、エルニーニョ現象だけでなく、他の要因も熱波の発生に関係していることに注意してください。例えば、地球温暖化や都市化なども気温を上昇させる要因となります17

 

引用したURL

1.weathernews.jp 2.honne-channel.com 3.haramasukoi.jp 4.anchan-nonbiri.com 5.tenki.jp 6.project.nikkeibp.co.jp 7.food-mylife.com 8.news.mynavi.jp 9.yomiuri.co.jp 1.0.scienceportal.jst.go.jp 11. ja.wikipedia.org 12. marisuke.com 13. businessinsider.jp  1.4 ja.wikipedia.org 15. asahi.com 16. data.jma.go.jp 17. jp.weathernews.com