2024年夏の猛暑202497日)

 

202495日読売新聞の編集手帳に、「夏の盛りのセミは耳をつんざくほど勢いよく鳴くものである。 俳人の池田澄子さんにこんな一句がある。「よしわかった君はつくつく法師である」。存在を認められて、セミは鳴きやんだのだろうか。先日アブラゼミの生態に関する記事を読んだ。8月後半以降の気温が高いと、翌年の初鳴きが早まることが国立環境研究所などの調べでわかったという。今夏の日本の平均気温は、1898年の統計開始以降で最も高かったと気象庁が発表した。この分だと、来年のセミの初鳴き梅雨時に早まってもおかしくなさそうである。公園を歩いてみた。ついこの前までのセミの大合唱が、台風10号を境に消えたような気がする。代わりに草むらや木々の足元で細い虫の音を聞いた。そのうち秋の虫の大合唱が始まるとすれば、主役はコオロギだろう。よし分かった君は、とあいさつする心の準備しておく。週間予報を眺めていて、名古屋や広島に驚く。猛暑日(35度以上)が連続して現れる日々が予測されている。虫の音は秋に移れるのだろうか。」の記述をみつけた。興味のある話題なので関連を調べた。

 

セミの鳴きと気候の関係について、国立環境研究所の研究結果がある。8月後半以降の気温が高いと、翌年のセミに初鳴きが早まるという、根拠を調べてみた。

国立環境研究所の研究によると、8月後半から11月末までの気温が高いと、翌年のセミの初鳴きが早まる傾向があることがわかった。この研究では、過去50年間の気象データと市民参加型調査のデータを解析し、気温が高いと地中の温度も上昇し、セミの幼虫の成長が促進されるため、羽化が早まる可能性があるとされている。この研究は、地球温暖化が生物の季節的な活動に与える影響を理解するための重要な一歩となっている。

気温がセミの初鳴きにどのような影響を与えるかについては、気温とセミの初鳴きの関係として、地中温度の影響:があるらしい。セミの幼虫は地中で数年間過ごす。地中の温度が高いと、幼虫の成長が促進される。特に8月後半から11月末までの気温が高いと、地中の温度も上昇し、幼虫が早く成長するため、翌年の羽化が早まる。成虫の活動:は、気温が高いと、成虫の活動が活発になり、早く鳴き始める傾向がある。特に春から初夏にかけての気温が高いと、セミの初鳴きが早まることが観察されている。気候変動の影響:には、地球温暖化により、全体的な気温が上昇しているため、セミの初鳴きが年々早まる傾向があるとのこと。これは、気温の上昇がセミの生態に直接的な影響を与えているためだ。

 

このような研究は、気候変動が生物の季節的な活動にどのような影響を与えるかを理解するために重要である。。セミの初鳴きの変化は、他の生物や生態系全体にも影響を及ぼす可能性があるため、継続的な観察と研究が必要である。セミの初鳴きが早まることで生態系にどんな変化があるのかについて、セミの初鳴きが早まることは、生態系にいくつかの影響を与える可能性があり、以下にその主な影響を説明する。

生態系への影響:捕食者と被食者の関係:として、セミは多くの捕食者(鳥や小動物など)の重要な食料源である。セミの初鳴きが早まると、捕食者の活動時期と一致しない可能性があり、捕食者の食物供給に影響を与えることにつながる。

競争関係の変化:セミの活動時期が早まることで、他の昆虫や動物との競争関係が変わる可能性がある。例えば、同じ時期に活動する他の昆虫との間で食物や繁殖場所を巡る競争が激化することが考えられる。

植物との相互作用:セミの幼虫は地中で植物の根から栄養を吸収する。セミの活動時期が早まると、植物の成長や繁殖に影響を与える可能性がある。特に、セミの幼虫が早く成長して地上に出ることで、植物の根に対する影響が変わることが予想される。

生物季節の変化:セミの初鳴きが早まることは、他の生物の季節的な活動にも影響を与える可能性がある。例えば、セミの鳴き声が他の昆虫や動物の行動に影響を与えることが考えられる。

気候変動の影響:気候変動による気温の上昇がセミの初鳴きを早めることが示される。このような変化は、長期的には生態系全体に影響を及ぼす可能性があるため、継続的な観察と研究が重要。

この他に、他の生物にも気温変化がどう影響するかを取り上げてみる。気温変化は多くの生物にさまざまな影響を与える。以下にいくつかの例を挙げてみる。

ホッキョクグマ:気温上昇により北極の海氷が減少し、ホッキョクグマの生息地が縮小する。これにより、餌となるアザラシを捕まえるのが難しくなり、個体数が減少することが考えられる。

サンゴ礁:海水温の上昇はサンゴの白化現象を引き起こす。サンゴは高温に弱く、長期間高温が続くと死滅することがあるので、サンゴ礁に依存する多くの海洋生物も影響を受ける。

渡り鳥:気温変化により、渡り鳥の移動パターンが変わることが予想される。例えば、温暖化により北半球の春が早まると、渡り鳥が繁殖地に到着するタイミングがずれ、食物供給と繁殖のタイミングが合わなくなることにつながる。

植物:気温上昇により、植物の生育地域が変わる。例えば、高山植物は気温上昇により高地へ移動する傾向があるが、移動先が限られているため、絶滅のリスクが高まる。

 

生態系全体への影響:気温の変化は個々の生物だけでなく、生態系全体にも影響を与える。例えば、ある種が減少すると、それに依存する他の種も影響を受けることにつながる。これにより、生態系のバランスが崩れ、さらなる変化が連鎖的に起こる可能性がある。気温変化が生物に与える影響は多岐にわたるため、継続的な研究と観察が重要である。また、自然の脅威が生活の場面に頻繁に現れている。人間を含む生物は、急激に変化する地球環境の中で、驚くべき適応と進化を遂げて生き延びてきている。人間も35度を超える猛暑に耐え、これを生き抜くための進化が求められる時代になってきた。