活躍する日大付属高校

 今年の夏は、関東以西は酷暑が続き、東北地方は大雨に洪水と、温暖化が定常化してきた。そんな中、夏の甲子園大会が開始されている。毎年名前を聞く常連校に加え、初めて聞く高校名も有り、熱戦が繰り広げられている。私の応援する日大付属高校も夏の甲子園出場へ常連となっている。今年も、南北海道を代表して、札幌日大高校、長野からは長野日大の2校が出場した。各付属高校が地方大会をどのように戦ってきたのか、気になるのでその情報を取りまとめてみた。先ず日大の付属高校のリストを表に示す。(*評価点:勝ち進んだ回戦数・準々決勝:5点・準決勝:6点・決勝:7点・優勝:8点の合計点)表に示すとおり、各付属高校の戦績は輝かしいばかりである。評価点30点は、毎年準々決勝に進出、36点は、毎年準決勝に進出、40点は、毎年決勝に進出していることを表す。さすがにどの高校校も40点はないが、日大山形と日大三高の2校は39点とほぼ毎年途方大会の決勝に進んでいるとも言え、突出している。

 

 

  日大付属高校の夏の甲子園地方大会過去6年の結果        
  高校名 2019 2020 2021 2022 2023 2024 評価点
1 札幌日本大学高等学校 3回戦 4回戦 準優勝 準々決勝 準決勝 優勝 33
2 日本大学山形高等学校 準々決勝 準決勝 優勝 準々決勝 優勝 準決勝 39
3 日本大学東北高等学校 準優勝 2回戦 優勝 準々決勝 3回戦 2回戦 27
4 日本大学第一高等学校 3回戦 2回戦 5回戦 3回戦 1回戦 3回戦 17
5 日本大学第二高等学校 4回戦 準々決勝 3回戦 3回戦 5回戦 準決勝 26
6 日本大学第三高等学校 準々決勝 準々決勝 準決勝 優勝 優勝 準優勝 39
7 日本大学鶴ヶ丘高等学校 準々決勝 3回戦 3回戦 準々決勝 準優勝 2回戦 25
8 日本大学豊山高等学校 準決勝 準々決勝 5回戦 4回戦 準々決勝 準々決勝 30
9 日本大学櫻丘高等学校 3回戦 4回戦 3回戦 2回戦 2回戦 3回戦 17
13 目黒日本大学高等学校 3回戦 4回戦 3回戦 3回戦 3回戦 16
10 日本大学高等学校 4回戦 5回戦 4回戦 4回戦 3回戦 4回戦 24
11 日本大学藤沢高等学校 準優勝 5回戦 準々決勝 4回戦 準々決勝 準々決勝 35
12 千葉日大第一高等学校 2回戦 3回戦 2回戦 4回戦 2回戦 2回戦 15
14 日本大学習志野高等学校 4回戦 2回戦 準々決勝 2回戦 4回戦 2回戦 19
15 土浦日本大学高等学校 4回戦 準々決勝 準々決勝 準優勝 優勝 準々決勝 34
16 岩瀬日本大学高等学校 1回戦 3回戦 4回戦 3回戦 3回戦 5回戦 19
19 佐野日本大学高等学校 準々決勝 3回戦 準優勝 準決勝 準々決勝 準々決勝 31
17 日本大学明誠高等学校 1回戦 2回戦 2回戦 3回戦 準々決勝 準決勝 19
18 長野日本大学高等学校 準々決勝 準々決勝 準優勝 3回戦 4回戦 優勝 31
20 日本大学三島高等学校 1回戦 2回戦 4回戦 優勝 準決勝 4回戦 26
21 大垣日本大学高等学校 準優勝 優勝 準決勝 2回戦 優勝 準々決勝 37
22 長崎日本大学高等学校 準決勝 2回戦 3回戦 準々決勝 準決勝 準々決勝 27
23 宮崎日本大学高等学校 準決勝 優勝 準決勝 3回戦 3回戦 準々決勝 33

 

 高校野球選手は、15歳から18歳の少年である。各高校は野球の技術に長けた優秀な少年を選手として登録していると思われる。技術を高めるためには、日頃の練習成果や、個人の資質もあり、技術の高い選手集団のチームが強いのは言うまでもない。今夏の地方大会を観戦して、神奈川県大会では日大藤沢高校の応援に保土ヶ谷球場へ足を運んだ。同校は、試合早々のミスが目立ち、心配していたとおり、ベスト8にとどまった。西東京大会は、日大鶴ヶ丘高校に期待していたが、2回戦敗退となった。同校は、一昨年準優勝してから、精彩を欠いている感が強い。一方日大二高の活躍は目覚ましい。準決勝では優勝した早実に惜しくも敗れた。日大三高は、決勝まで進むが、最後の1点に泣き、早実に代表の座を明け渡すことになった。両校の対戦の歴史は古く、甲子園では輝かしい成績を残してきた。特筆すべきは、札幌日大と長野日大の二校である。両校ともにこの23年は、準々決勝、準決勝と続き、今回ようやく決勝に進み、見事に優勝を勝ち取った。選手の技術面と精神面共に強靭なチームが栄冠を手にする。その指導にあたる監督をはじめ、コーチ陣やバックがしっかりした組織の上に、気合だけではなく、理詰めの説明で諭す力を持ち合わせる能力のある指導者が求められる。文字通り、心技体智がそろわなければ真の選手は育たない。この試合と同時にパリ五輪が開催されている。勝者は頑張ればできると言うが一般論ではない。負けた人達を見つめて、何かを思うことの方が人生というものの現実に近いという。水泳の池江璃花子選手の予選敗戦の弁は「これまでの努力が無駄だった」と語った。柔道の阿部詩選手が同じく初戦敗退後、大声で泣き崩れ、場内騒然となり、観客の詩コールで何とかコーチに抱きかかえられて去ったシーンは誰もが残念がった。勝者の弁は記憶に残ることはあまりないが、敗者の弁や行動は重く記憶に残る。チームが敗れた際にどんな一言を選手に語られるかが少年たちを引っ張り上げる原動力になる。チームプレーで相手と競った時、最後に1点を取れるか取れないかは技術ではない。彼らを支える精神力しかない。そこを指導できる指導者がいるチームは強い。(2024年8月12日)