住宅地の野鳥(2023年1月)

  正月が明け、寒の入りの頃になると、毎年我が家の裏庭に野鳥たちがやってきます。(写真は昨年のメジロ)これまでに確認した種類は、メジロ・ヒヨドリ・シジュウガラ・ヤマガラ・スズメ・ヤマバト・カラス・ムクドリなどです。今年も小さな餌台にミカンやリンゴを乗せて待っていますがなかなか現れません。今冬はまだ雪が降らず、野山に餌が豊富なのかと思いながら心待ちにしていたら、先日ついに現れました。毎年来るいつものヒヨドリだと思いましたが、いつもと異なる妙な行動をしています。よく見ると獲物の羽をむしりながら、口に運んでいます。獲物が何かは確認できませんが、羽の色から察するとシジュウガラのようです。雑食のヒヨドリが肉食になったのかと思いながら観察すると、ヒヨドリではありません。写真に収め、図鑑で確認するとツミらしいことが分かりました。ツミは最も小型の猛禽類であることを初めて知りました。以前、公園にも小鳥の羽が散乱していたこと何度か見かけたことを思い出しました。住宅地の庭で猛禽類の捕食シーンに驚かされた今年最初の野鳥の訪問者です。

猛禽類と言えば、ワシやタカを思い浮かべます。ハヤブサも精悍な猛禽類です。他にもコンドルやフクロウ、ワシミミズク、ハゲワシなども猛禽類の代表です。夜に活動するものから日中に活動するものまで様々で、日本最大の猛禽類としてはオオワシとオジロワシがいます。自然界は弱肉強食の厳しい世界です。弱いものが強いものに食べられる、という一見残酷に見える構図のなかで野生動物は適切なバランスを保っています。これを食物連鎖というのですが、この食物連鎖においてワシやタカなどの猛禽類は頂点に君臨しています。

  自宅近くの公園の雑木林でもリスをよく見かけるようになりました。犬の鳴き声を少し濁らせたような異様な鳴き声ですが、見るととても可愛い小動物です。しかしリスは、公園の雑木林に残された数本しかない大きめの樹木の樹皮を剥がし、立ち枯れたした幹も目立つようになりました。樹木が枯れたことによりできたギャップは、雑木林への光環境を変化させます。また枯れた樹木への新たな生物侵入者が現れます。わずかに残された狭い雑木林にも多くの自然の営みが感じられます。野山に餌がなくなると小鳥たちは、都会の住宅地へも餌を求めて飛来するようになります。気候変動により、自然界にも何らかの変化が押し寄せているようです。どこまでが人間の手出しできる許容範囲なのか、問われるところです。(2023124日)