植木剪定職人を目指す

講習会へ参加

公益財団法人横浜市シルバー人材センターが主催する「植木職研修」に参加しました。12月の暮れに、横浜国立大学を会場にしてこの講習会に参加しました。参加者は少なかったため、内容の濃い個別指導を受けることができました。初日の午前中は講義が行われました。安全な作業方法、庭木の管理、剪定の基本などについて、机上で学びました。森林や林業に詳しい方もいらっしゃり、ほぼ理解できたと思います。午後は広大な横浜国立大学のキャンパス内で、早速剪定の実技演習が行われました。あらかじめ用意された大きな枝を小分けし、どのように選定するかを実際に行い、剪定を行いました。これまで自己流で行ってきた技術は基本的な部分に近いものと思われましたが、細かい部分で間違いを指摘していただきました。

具体的な指導内容として、以下の2点がありました。第1は、大きめの枝を切り落とすのは良いが、残った枝の長い部分を切り詰めすぎないようにすることです。風に揺れるくらいの細い枝を残すことが良いとされています。第2は、枝は上部から切り進め、下部の枝はできるだけ残すように心掛けることです。これらは今後の実践で徐々に改善していかなければならないポイントです。植木剪定は「これで良い」というものはなく、常に向上心を持ち、完成やゴールを追求する作業です。奥深い分野ですね。

2日目は教室でスケジュールの確認や初日の振り返りを行い、その後現地での研修が行われました。中庭の庭園の整備として、蔓性の枯葉の処理や枯損木の抜き取りを行いました。剪定の実践では、アジサイを対象に枝剪定をできるだけ下部に行い、花芽を少し残すことを学びました。

昼食は学食を利用させていただきました。広い学食には学生はあまり多くいなかったように思います。また、黒人の女性の姿が目立っていたように感じました。

午後の剪定はアカマツで行われました。剪定というよりも体験を通じて要点を学びました。枝先は通常3本ありますが、Y型の2対を残し、真ん中を剪定するのがコツです。また、枝揉みと称して、枝先の15対ほどの針葉を残し、風通しを良くするために針葉をむしり取りました。枝揉みによって風通しを良くし、爽やかな清涼感を醸し出します。

 

植木剪定用の道具類を購入

腰ノコと腰ナタのセットこれまで林業作業を行う際に使用していた腰ノコと腰ナタのセットは、写真に示すように使い勝手の良いものを持っていました。南信濃村でお世話になった豊橋の黒田さんのご紹介で、静岡県春野町の片桐鍛冶屋に特注しました。片桐さんは現在92歳でなお現役です。数年前に鍛冶屋を訪問した際、弟子のいないことを残念がっていらっしゃいました。私は演習林長時代に北海道のササ刈り用の大鎌を50本ほど特注したことを思い出しました。

剪定ばさみ新潟県三条の五郎作の剪定鋏(190㎜)を以前6800円で購入していたものが、道具箱から出てきました。1㎝以上の結構大きな枝まで切れる性能を持っています。欲を言えば、200㎜の方がより大きな枝を切れてよさそうです。さらに、コードレスの電動剪定鋏なら2㎝ぐらいの枝も楽に切れるようですが、当分は使い慣れた写真の剪定鋏で十分間に合いそうです。

岡恒植木鋏写真のような200㎜の岡恒の植木鋏を新調しました。ホームセンターで4800円と少々高かったですが、これが欲しかったのでとても嬉しいです。これでマツの剪定もうまくいきそうですが、当分出番はなさそうです。

 

地下足袋初めて地下足袋を購入しました。山仕事では地下足袋ではなく、安全靴や長靴が主流でしたので、これが初めての地下足袋です。締め方に少し不慣れでしたが、途中で留が外れないか心配しました。 


植木屋デビュー初仕事

植木屋デビューの初仕事は、29日に磯子区杉田町の個人宅で行いました。この仕事は、道路面より約4メートルほど高い敷地にあるクロガネモチ2本の伐採作業とその枝の処理が主で、他にも小さな木の切り取りも含まれていました。親方の内藤さんと88歳の田村さんは、木に登って枝を的確に切り落としていました。私は枝を切り落とされたものを約60センチに細かく切断する作業を担当し、腰ナタを使って560センチの長さに細かく切っていきました。これも植木剪定の大事な仕事です。

また、枯れた木を電動チェーンソーで切断する作業も行いましたが、なんと切れないチェーンソーに遭遇しました。こんな切れないチェーンソーは初めてでした。親方が丸やすりを持参していたので、お昼休み中に目立てを行い、何とか少し切れるように調整しましたが、チェーンソーバーが少し曲がっていたため、うまく切ることができませんでした。この伐採作業を通じて、道具の重要性を痛感しました。

 作業量が予想以上に多かったため、16時を過ぎても作業が続きましたが、何とか完了し、私にとっての植木屋デビューの一日でした。植木の剪定とは多少異なる作業で、ほぼ片付け作業に終始しました。いきなり樹木の剪定を頼まれても、自分の能力がどれだけ発揮できるかは分からないものです。ネットで配信されている剪定作業の動画を見て、さまざまな樹種の剪定方法を学ぶことが必要だと感じています。また、親方として仕事を請け負うよりも、親方の下で与えられた作業をする方が楽だと思いました。(2024221日)